新造人間キャシャーン♪キャシャーン♪(アニメ版キャシャーンOP)

というノリとは打って変わって、とても重たい内容の映画でした。
「憎しみと戦い、愛とキャシャーン」
なんでそこでキャシャーンなんだ?と突っ込みたくなるのですが、突っ込めなくなりました。

<ストーリー>
そこは、私たちが歩んできた歴史とは全く異なる歴史を歩んできた世界。
大戦は50年も続き、世界は大亜細亜連邦共和国とヨーロッパ連合という、ふたつの陣営に分かれていた。
長い戦いの末に、大亜細亜連邦共和国は勝利し、東アジアのユーラシア大陸一帯を支配するに至った。
しかし、その勝利で得た物は人心の荒廃に、化学兵器、細菌兵器、核がもたらした薬害やウィルス、
放射能などの後遺症と荒れた大地だけであった。

そこで、ある科学者が「新造細胞」を開発。
この細胞は、肉体のどんな細胞にも変化できるという特殊な能力を持ち、どんな環境にも適応する。
不老不死の可能性すら秘めていた。
しかし、その細胞で作られた新造人間が持っていたものは、人間に対する憎しみだけだった。

勧善懲悪ものではありません。
悪とは何か。
何故人は戦いをしてしまうのか。
そしてその先に何があるのか。
それをひしひしとといた作品。

なんといっても見所は、張り巡らされた伏線と、紀里谷監督のCG映像。

途中、物語はバラバラに進んでいるようで、最後の最後で一本の線になります。
物語の過程で、おいおい何勝手に納得してるんだよ。と思うシーンが何度かあったんですが、ラストでその答えを示してくれます。
ここらへんが最近よくあった、最後は自分で考えろ的な自己満足映画と違い、分かりやすい。

紀里谷さんの映像は、嫁さんでもある宇多田ヒカルのPVでもよく見てました。
あのオリジナルの幻想的な雰囲気の映像は今回も健在。
この人の表現は似た色調や色でCGと実写を整えることで高い非現実性を醸します。
その表現が、とてもアニメーションチックで、実写で撮影されているのに、キャシャーンというタイトルの別のアニメを見ているかのようでした。
よくぞ3Dと実写をあれだけマッチングさせられるなあと感動しました。
3Dロボットも個人的にコミカルでステキ。

紀里谷監督は、日本人による日本国内のヒーロー映画を作りたいと語っていました。
日本人らしい超人的な能力を得たヒーローが善と悪に悩む姿や、CGの精巧さよりCGを生かした幻想的な世界の表現を実現した点で、それは達成されたように思います。
宇多田のテーマソングの歌詞も、ストーリーとマッチしてて心に響く。
いい作品でした。

PS
宇多田が原曲のキャシャーンテーマソング(冒頭のアレ)を歌って、アルバムにカップリングしてくれれば絶対シングル買うのに…と思った。

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